震災その後 災害と政府とマスコミ

前回明日であれから1年 - My Memo & News Bookmark
震災当日、帰宅難民となり一晩臨時避難所で過ごした後、朝に動き出した電車に乗って無事自宅へたどり着くことができた。ようやくいろいろな情報を仕入れられるようになって一息つけた所に入ってきたのが、原発の最初の水蒸気爆発を告げるネットのニュースだった。

リンクされていた動画を見た後、すぐさまテレビに駆け寄って全チャンネルを回してみたが、そのときは全マスコミ対応に困っていたようなそぶりが見え、爆発後の原発の風景を流して、建物が損傷していると騒いでいた。ようやく爆発の様子を流すチャンネルがあったときの「爆破弁」発言忘れんぞ。
さすがにこのときは体の震えが止まらなかった。原発の損傷がどこまでなのか、拡散した放射性物質は自宅付近でどの程度の濃度に達しているのか、程度によっては完全に手遅れが確定していること、日本の中で失われた土地ができてしまったこと、今後増える発ガンリスクなどがぐるぐると頭の中を回っていたからだ。しかしいくらまっても欲しい情報は出ず、ようやく始まった首相会見でも全く情報はなく、その後の官房長官会見で情報を得ることができた。(このとき既に午後8時越え 最悪、首相会見で首都圏エリアにも避難指示が下ることを覚悟もしていた。)そこで発表されたのが「原発圧力容器に損傷なし。」これを聞いてすっかり安心してしまった。これが確証バイアスというものなのだろう。

  • 政府とマスコミへの不信感 今回の対応から見る有事対応

その後マスコミは原発は安全と繰り返し報道を始めるのだったが、それが変わってきたのが続く3号機の爆発あたりである。これも爆発の様子はネットに上がっていた動画を見て把握することができた。ニュースを知った段階で既にテレビではこの様子がながれていなかったためだった。そしてこの頃からマスコミで原発は危険と連呼されるようになった印象がある。一方自分は、この爆発の様子を見て、震災前には戻れないことを覚悟して、どうこうすることを諦めた。
これ以降、次第に政府とマスコミが順当に情報を出していないことが明らかになってくる。
政府が放射性物質の拡散予想情報を持っていたにも関わらず出さなかったこと、最初の原発爆発の様子は約1時間、全国向けにはマスコミ内で止まっていたこと、海外向け+海外メディアが流している震災放送と国内で流れている放送に明らかな差異があること、明らかに横並びの報道がなされていること。これらもろもろから政府とマスコミへの不振は確定的なものとなった。
今回の震災をふまえれば、有事のときに政府とマスコミの情報を鵜呑みにしてしまうと、敵が迫っているのに政府とマスコミは安全と言い続け、気づいたころには背中に銃が突きつけられていることも想像にかたくない。
そんなマスコミが今喧伝しているのが原発の停止だ。明らかに論点がおかしいのだが、この報道で相当数の人間が踊らされている。これは次のエントリにでも。